活用事例

学力を低下させることなく同じ質の授業を

小山市立東城南小学校

mimioPenPlus
小・中学校

栃木県南部に位置する小山市は、約17万人の人口をもつ県内第2位の都市だ。小山市立東城南小学校は、2019年4月、先進的な英語教育とICT教育を目指すモデル校として開校した。各教室には、65インチの4Kディスプレイ型電子黒板が常設されている。2020年3月、新型コロナウイルス感染拡大の影響による臨時休業をきっかけに、オンライン授業の準備や実践に積極的に取り組み、2021年度からは、児童1人1台タブレット端末で学習できる体制がスタートした。

電子黒板活用で授業の流れを止めることなく進めることができる

小学校3年生外国語活動の授業

小学校3年生外国語活動の授業

ALTの先生が電子黒板で書き込み

ALTの先生が電子黒板で書き込み

東城南小学校の外国語活動の授業はテンポよくリズミカルなやり取りが特徴的だ。
この日も小学校3年生外国語活動の授業は、早乙女幸子先生とALT2名により、デジタル教科書を電子黒板に大きく提示しながら始まった。
本時のめあては、世界の国の名前やいろいろなあいさつの仕方を知ることであり、先生は、電子黒板に投影された国旗を指して、「この国はどこでしょう?わかった人?」と問いかける。児童から「インディア!」の声があがる。電子黒板のインドの国旗を先生がクリックすると、インドの風景が映し出され、「ナマステ」と挨拶するインドの小学生の動画が流れる。「ちょっと練習してみよう、ナマステ!」、「ナマステ!」、児童も早乙女先生の後に続いた。その後も、アメリカやドイツなどいくつもの国の動画を流しながら、様々な挨拶の声が教室内に響き渡る。電子黒板でデジタル教科書を操作することで画面に大きく映し出された動画では、ネイティブの発音を体感することができ児童にもわかりやすいようだ。
「外国語活動の授業では、デジタル教科書を電子黒板上で操作しながら、テンポよく説明できるため、授業の流れを止めることなく進めることができます。」と早乙女先生は語る。

電子黒板は画面が大きいので注目させやすい

写真:小山市立東城南小学校 教諭 齋藤勇也 氏

写真:小山市立東城南小学校 教諭 齋藤勇也 氏

「電子黒板は、授業の中でも使いますし、生活の中でも活用しています。」と理科担当の齋藤勇也先生。「電子黒板は画面が大きいので注目させやすく、児童も『ああ、ここを見るんだな』とわかりやすいところが最も良い点だと思います。」と語る。理科の実験でやり方を説明する場面では、書画カメラで注目してほしいところをアップで見せたり、児童自身が電子黒板のペン機能で実験結果を記録したりと様々な場面で実践が進んでいる。さらに、児童がノートを表示した電子黒板の前で発表する機会が増えたことで「自分の考えをみんなに伝えよう。」という意欲が高まったと感じているようだ。

より使いやすいもの、日常活用しやすいもの

写真:小山市教育委員会 副主幹兼教育研究係長 伊藤秀哲 氏

写真:小山市教育委員会 副主幹兼教育研究係長 伊藤秀哲 氏

これまで電子黒板や書画カメラ、タブレット端末等のICT機器や、活用を促進させるための授業支援ソフトウェアを導入してきた小山市教育委員会 伊藤秀哲氏にお話を伺った。
「新設校の東城南小学校では、ICT環境を一から整える必要がありました。導入するものは、教職員や児童が、『より使いやすいもの、日常活用しやすいもの』とすることを目標としてきました。特に電子黒板は、動画コンテンツを再生したり、書画カメラで取り込んだ画像に書き込みながら説明したり、直感的な操作でわかりやすい授業を展開することができるので、欠かせないものとなっています。また、児童は、先生がPenPlus Classroom授業支援ソフトやMicrosoft Teamsなどで配付した課題をタブレット端末で解答し提出します。それを電子黒板上で並べて表示することで、互いに意見を伝えあったり、考えを深めたりすることができるようになります。」と話す。
全普通教室の電子黒板、1人1台タブレット端末の整備が実現し、先進モデル校としてICT活用が推進されている東城南小学校の取組が、市内全校へと広がっていくことを伊藤氏は期待している。

電子黒板で学年を通した一斉授業を実現

写真:小山市立東城南小学校 校長 青木 清治 氏

写真:小山市立東城南小学校 校長 青木 清治 氏

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、東城南小学校では、2020年6月から授業のオンライン配信を積極的に活用した。「長期にわたる休校明けで、限られた時間で授業を進めなくてはならない状況の中、1人の教員が行う授業を、電子黒板を通して隣のクラスでも受けることができるようにしました。学年を通した一斉授業により、効率的に学習内容の定着を図ることできるようになりました。」と青木 清治 校長は語る。
「1人1台タブレット端末のICT環境が実現し、電子黒板に児童の意見を反映させることが簡単になりました。電子黒板は、一つの共有画面として使える、これからの教育になくてはならないものだと思っています。電子黒板があったので、教科担任の授業をリアルタイムで受けることが可能となり、各教室には、それぞれの担任がいますので同じ質の授業ができるようになり、学力低下を抑制することにつなげられました。」と新型コロナウイルス感染拡大の影響のある中、ICTを活用した新しい授業の取組をご紹介いただいた。

<あとがき>

小山市立東城南小学校

小山市立東城南小学校

東城南小学校では、小山市ICT先進モデル校として教職員の意識も高く、昨年からコロナ禍の状況で子ども達の学びを止めないようオンライン授業等に全員で取り組んでいる。
電子黒板、書画カメラ、タブレット端末等、オンライン学習にも活用できるICT環境も整っているが、なにより教職員は、モデル校にふさわしい対応力を備え、先進的な授業を実践していると感じた。

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