活用事例

すべての教科で電⼦黒板を活⽤!授業がとても能動的に

智辯学園奈良カレッジ⼩学部・中学部・⾼等部

mimioPenPlus
小・中学校

智辯学園奈良カレッジは、万葉集にも詠われた⼆上⼭の北麓に位置し、⾦剛⽣駒紀泉国定公園の深い緑に包まれた静かな環境の中、開校以来時代に先駆けて⼩学部から⾼等部を⼀本の教育軸で結ぶ12年⼀貫教育プログラムを提唱し、⾼等学校までの12年を4-4-4の3期に分けて継続的な教育を進めている。
⼩学部・中学部・⾼等部の全教室に常設されたプロジェクター型電子黒板をほとんどの先⽣が授業の中で活⽤し、タブレットを活⽤した授業も進めている。 今回は、⼩学部のICTを推進してきた中川教頭先⽣にお話を伺った。

すべての教科で電⼦黒板を活⽤!

中川教頭先生:電子黒板は、これがなくなってしまうと授業ができないというほど活用しています。各教室を見て回ると、半分以上の教室でプロジェクターを使用しており、特に電子教科書は国・社・算・理の4教科で導入しており、授業の中でもよく活用されています。

今まで、算数科の授業であれば、数直線を黒板に掲示するために、大きな紙にペンで書いたものを事前に準備し貼ったりしていましたが、電子教科書の数直線を黒板に瞬時に投影できるようになり、授業準備の時間を大幅に短縮できるようになりました。社会科であれば、実際の映像を見ることができるようになりました。例えば、製鉄所での製鉄の様子は、今までは写真で教えていたものが、今は動画で見ることができ、子どもたちの理解度がすごく深まっていることを実感しています。

タブレットですすむ協働学習

「画面ロック」マークをタブレットに表示/デジタル教材と紙の教材で展開図を説明

「画面ロック」マークをタブレットに表示/デジタル教材と紙の教材で展開図を説明

子どもたちの中にはタブレットを使い慣れている子も多くおり、使い方がわからない子に対しても、子どもたち同士で教えあったり、他の子の使い方を見ながら学ぶ姿が見られ、操作の上達がとても早いと感じます。また、本日のタブレットを使った協働学習の授業の中では、子どもたちがそれぞれの考えや意見をタブレットに書いたものを教員のタブレットに送信し提出してもらっていました。

これまでの授業では、教員からの発問があり、それに対して子どもたちが挙手をし発言していました。子どもの中には、素晴らしい考えを持っていても、挙手をするのが恥ずかしくて、発表をしたいのにできないという子もいます。しかし、自分の意見をタブレットに書かせ、送信させることで、子どもたち全員の意見を教員が取り上げることができます。これまで、あまり積極的に発表できなかった子どもの中には、自分の意見を取り上げてもらえたことで、それが自信につながり、発表に対して意欲的になったという子もいました。

協働学習のために導入した授業支援ソフト PenPlus Classroomの機能の中でも先生方から好評である機能は、授業者側でタブレットの使用を制限できるものです。子どもたちのタブレットの使用を一旦止めて、教員の方に顔を向けてほしい時に、「画面ロック」のマークを子どものタブレットに表示させ、自分たちで操作ができないようにできる機能など、授業をコントロールするのにとても便利だという声が多いです。

授業がとても能動的に進む!

数え棒で展開図を作りながら立体的な図形を確認

数え棒で展開図を作りながら立体的な図形を確認

小学部3年1組と2組の算数の合同授業、「はこの形(展開図)」の板橋先生の授業を見学させて頂いた。授業が始まると4人で 1グループになり、グループごとにタブレットが用意されている。板橋先生が「まずは、準備運動としてPenPlusに入ってください」と言うと、各グループは、慣れた様子で自分たちのタブレットを先生機と繋げている。タブレットを使った授業はその後も展開されていく。

「立方体は、正方形が何枚必要でしょうか」と先生が質問すると一斉に手が上がる。「どうやったらサイコロの形になるかみんなで考えましょう」と、先生から、正方形を真横に4枚繋げた展開図の一部が、各グループのタブレットに送られる。「立方体になるように、その図に正方形を2枚くっつけてください」「できたら先生に提出してください、できていてもいなくても、5分経ったら一度回収します」「では、はじめ」 とテンポよくすすめる板橋先生。

子どもたちはグループになり、タブレットに、ペンを使用したり、手書きで形を加えながら展開図を作成する。グループによっては手書きがきれいに補正される図形ペンを使いながら展開図を作成している。タブレットから提出された各グループの回答は、プロジェクターで大きく表示される。次に、実際に画用紙で子どもの回答と同じ展開図を作り、前で組み立てて見せる。本当に立方体になることが確認できる工夫がなされている。電子黒板とタブレットのデジタル教材を用いた展開だけでなく、アナログの教材も使いながらの板橋先生の授業は、メリハリがあり、子どもたちの積極的な姿勢も多く見られた。

板橋先生:ノート、黒板を使った授業も大事なんですが、それだけだと低学年は特に集中力が切れてしまうこともあります。タブレットだと自分で動かしたり活動する時間が増え、授業がとても能動的に進むのでタブレットを使った授業は大切にしています。

「少子高齢化」を身近な問題としてグループで話し合う

前の授業の黒板の板書を提示しタブレットに送信

前の授業の黒板の板書を提示しタブレットに送信

タブレットに送信された画像に話し合いながらマーキング

タブレットに送信された画像に話し合いながらマーキング

中学部2年生の社会総合の柏原先生の授業を見学させて頂いた。 テーマは日本社会の大きな問題でもある「少子高齢化」、大人でも難しいテーマをタブレットを使いながら、グループに分かれての話し合いが始まった。

「君たちのタブレットに画像が送られましたね、何の画像かわかりますか?」「これからの人生を生きていく中で不安に思うことについて書いてもらったものですね」と、前回の授業で黒板に書いた内容について、撮影した画像を各グループのタブレットに送信。「少子高齢化と特に密接に関連しているものに〇をつけて下さい」との問いに、各グループは話し合いながら、タブレット画面の画像が見えづらいところはタブレット画面を指で拡大し、画面にマーキングしていく。

各グループから提出された内容は、「労働力低下」「人口減少」「年金問題」「税金」「親の介護」等・・・。どのような形で「少子高齢化」が進んでいるかということを詳細なデータを含めて電子黒板を使いながら柏原先生が説明し、生徒は真剣に耳を傾ける。生徒がタブレットを使用しながらグループで考え、電子黒板で様々なデータを示しながら説明するのが柏原先生の授業スタイル。タブレットと電子黒板を効果的に活用することで、難しい社会問題も生徒が話し合いながら自然と身近な問題としてとらえることができているようだった。

柏原先生:タブレットを使うと、〇〇さんがこういうことを書いているよ、というのを紹介しやすくなった。それが授業を展開する上で大きいと思います。そういうことを今までは口で説明するとか、印刷して配るとかしないとできなかったんですが、リアルタイムにそれができるところが強力なツールだとと思っています。

あとがき

智辯学園奈良カレッジ小学部・中学部・高等部の授業では、ICTだけで授業を進めるのではなく、子どもたちを能動的に活動させ、話し合いをさせるところはタブレットを使い、先生の説明は電子黒板を効果的に活用することで、授業がテンポよく進んでいました。タブレット一人一台に向けて学びのスタイルは変化してきていますが、決してICTだけに頼るのではなく、デジタルでは伝わりづらいところを板書や紙の教材を使いながらわかりやすい授業になるよう工夫されており、智辯学園奈良カレッジの授業の質の高さを実感しました。

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